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(摂食障害に関する私の体験談です。)




前編はこちら▼








=講演=

食べられないから生まれたレシピ【後編】




 

<回復への一歩:外食>

「美しいまま(細いまま)苦しんで生きる」(これは美学だった)か、「(太って)みにくくても元気になる」か、この2択しかないと考えていた私は後者を選択した。「食べよう」と思った。とはいえ現状は食べるとパニックになり、床に頭をぶつけたり鏡を割ることもあった。一進一退であった。家だと一人前が分からないので、「外でご飯が食べたい」と思うようになっていく。それを母に伝えると母は嬉しかったようだ。早速母は近所のご飯屋さんに連れて行ってくれた。しかし、いざ注文となると、何を注文すれば良いのか分からない。結局母が気を遣って注文してくれたものを食べてみた。すると外では人目を気にするので、食べてもパニックにならずに済んだ。これは凄い事だった。それから半年間、そのお店で毎日同じ物を食べ続けることとなる。結果、体重は増えていった。「苦しいけれど死ねない」「良くなるしかない」「どん底まで行くと、上がるしかない」私は「頑張っていたこと(=拒食症)」を止めた。諦めたのだ。「痛めつけるのは止めよう」「もう頑張らなくても良い」「したい様にすれば良い」と、自分に負けると優しくなれた。楽になれた。

 




<回復への一歩:社会復帰>

母の友人より「調理師免許」があれば、作った物を販売できると教えて貰い、家でお菓子作りを始める。その事を母が通院先の売店で話すと、私が作ったマフィンを置いて貰える事になった。恥ずかしかったが、嬉しかった。体重はまだ30㎏台であったが、「普通になってこれた」と思えた。すると次は「お店をしないか?」という話が浮上する。私はまだ人と話が出来ないけれど、他に道が無いと思えたので、「やる」と返事をした。私が料理を作り、同級生の友達に接客を手伝って貰う形で、3ヶ月後にはお店を開店する。まだ回復途上ではあったが、完全に回復するまで待つ余裕は無いと思っていた。お店をすることで社会復帰が果たせたのだ。





<現在の自分に至るまで>

お店が忙しいと病気のことを考える時間が減っていき、気持ちを分散すれば楽になれることが分かった。しかしお店は競うものが無い。目指すものが無かった。接客を担当してくれた友人は沢山のスマホアプリをダウンロードしていた。私はそんな世の中の流れに追い付きたくて、仕事を終えると検索した。そして料理のアプリ「ぺこり」に出会う。「ぺこり」では毎日ランキングが更新されており、私は「ここで一番になりたい」とのめり込むようになっていく。そしてそこで一番になれると、今度は「料理本を出したい」「病気で遅れた分を取り戻したい」「母を喜ばせたい」と考えるようになっていった。丁度そんな頃、本の出版の話が持ち上がり、現在に至る。この病気の人はみんな、繊細で真面目で意志が強い人だと思う。病気にベクトルが向いている時は、「食べる」「寝る」などの生理的欲求に反した、普通では出来ない行動をしているからだ。そこにはもの凄いパワーが存在している。だからベクトルを変えると凄い事が出来るのだ。未来は明るくなる。良くなり始めると早い。これまでは食べ物、容姿、数字ととても視野が狭かった。だけど、脳に栄養が回ると、頭がどんどんクリアになり、前向きになる事が出来た。当時はまだ話すことは出来なかったが、ブログに自分の気持ちを書くことは出来た。辛い気持ちを書くと、気持ちが軽くなっていった。更に沢山のコメントが寄せられ、自分の気持ちを肯定して貰えた。「分かってくれる人が居る」ことが分かった。そして私は「あぁー終わった」と思えたのだ。

 




<最後に:変わった所と変わらない所>

根本は病気の時と変わっていない。「ランキングで一位になりたい」「本を売り伸ばしたい」と私は今でも数字を追いかけている。しかしこれは性格。離れられないものだと肯定している。今でも達成できるように、毎日頑張っている。だけど、体重計に乗ると減らしたくなるので乗らないし、カロリーも見ない。追いたくないものは追わないし、見ないようにすることが出来るようになった。「まぁいいっか」という適当さはとても大切。神経質なところを少し雑にする事が出来るようになった。そこが病気の時との大きな違いだと思う。更に病気が治ったことで、人前で泣けるようになった。気持ちを吐き出せるようになった。悪いことばかりでは無い。視野も広がり、色んな人と話をする中で、「あなたには努力をする才能がある」と言って貰えた。人と繋がる事で様々なヒントが貰える。母は「あゆみの会」の様な会があることを知らず、一人で私を看てくれた。しかし、会に繋がれたら、孤立せずに済んだと思う。もう少し楽に病気を克服できたかもしれないと思う。治るきっかけというものはない。きっかけは「自分で作るもの」。今日この会をきっかけに、少しでも前に進もうと思ってくれた人が居たならば、とても嬉しい。













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